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皆様こんにちは、SPL JAPANサポートのAlex Whiteと申します。


本日は、お客様よりご質問を頂きました「Phonitor xとPhonitor xeの音質面および機能における具体的な違い」につきまして、皆様にご説明を差し上げさせて頂きます。内容につきまして、ご不明点等ございましたら、こちらよりお気軽にお問合せください。


1)【DACモデル限定】使用回路の違いにつきまして



Phonitor xには、DAC768xsというDAC部分が搭載されており、こちらは、USB、同軸デジタル、角型デジタルの計3種の入力端子が備わっております。DACチップには旭化成のAKM4490が採用されており、768kHz 32Bit (DSD4)までに対応しております。



一方で、Phonitor xeにはDAC768というDAC基板が搭載されております。こちらは上記DAC768xsの上位版となりまして、DACチップ自体はDAC768xsと同一のAKM4490が採用されておりますが、入力端子にAES/EBUが追加されているほか、DAC回路後のアナログローパスフィルターとしてDLP120という回路が搭載されております。


こちらのDLP(Dual Low-Pass)120はPCMおよびDSDの双方にそれぞれ搭載されており、SPL社独自開発の120Vテクノロジーによりコントロールされております。



DAC部分における音質差として挙げられる点としましては、このDLP120によるローパスフィルターの効果による違いとなりまして、Phonitor xe DAC版の方が、よりリラックスしたサウンドを提供する機種となります。


2)機能面での違いにつきまして



Phonitor xにはヘッドホンアンプ機能に加えて、プリアンプアウト機能が付属しております。背面のXLR・RCA出力コネクタに外部アクティブスピーカーやパワーアンプなどをご接続頂くことにより、ヘッドホンアンプ兼スピーカー用プリアンプとしてもご利用頂くことが可能となっております。


また、これらの出力端子はダイレクトアウトに設定頂くことも可能ですので、例えば、Phonitor x DACモデルを据え置きDACとしてご使用頂き、外部プリアンプ等に信号を供給するという使用方法も可能としています。尚、背面のスピーカーアウトプット端子からの出力につきましては、Phonitor Matrix機能は適用されない形となっております。



一方で、Phonitor xeにはPhonitor xのようなスピーカー用出力端子は備えておりません。正面および背面にそれぞれヘッドホン出力端子が備わっている形となりまして、また、同時にご使用いただけるヘッドホンの数は1機種のみとなります。ヘッドホンアンプの分配機能はございませんので、ご注意ください。

3)出力パワーにおける違いにつきまして


Phonitor xおよびPhonitor xeにおきましては、接続するヘッドホンのインピーダンスにより、出力パワーが異なっております。

Model

Connection

600Ω

300Ω

32Ω

Phonitor xe

TRS

2 x 1W

2 x 2W

2 x 2.7W

Phonitor xe

4-pol XLR

2 x 1.4W

2 x 2.8W

2 x 2.7W

Phonitor x

TRS

2 x 2.7W

2 x 5W

2 x 1W

Phonitor x

4-pol XLR

2 x 8W

2 x 3.5W

2 x 0.7W

Phonitor se

TRS

2 x 2.7W

2 x 5W

2 x 1W

Phonitor xは高インピーダンス(300~600Ω)ヘッドホンとの接続において、ハイパワー出力が可能となる設計を有しておりまして、一方で、Phonitor xeは低インピーダンス(32~120Ω)ヘッドホンとの接続において、Phonitor xと比べて高出力を可能とする設計となっております。


Phonitor xでありましても、出力ブースト機能(DIPスイッチを併用した出力ゲイン増加機能)を使用することにより、低インピーダンスヘッドホンでの出力音量を低ノイズで稼ぐことが可能となっておりますが、実際に組み合わせて使用されるヘッドホンの仕様に合わせてご検討ください。


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皆様こんにちは。プロダクトマネージャーの加瀬でございます。


本日は皆様へPhonitor x Black Analogモデルアウトレット品(1台限定)についてのご案内をさせて頂きます。



SPL JAPANでは、デモ機として使用していた製品などを再整備を行い、お求めやすい価格にてお客様へご提供するアウトレット販売を行なっております。SPL製品の魅力を幅広い層のお客様に向けてお届けできればという思いでございます。


表題にもございますが、現在Phonitor x Black Analogモデルのアウトレット品の販売に向けて、整備作業を行なっている状況にございます。オンラインショップへはまだ未掲載の状況におりますが、ご興味をお持ちのお客様からのご予約につきましては、受付をさせて頂いている状況にございます。


製品のご予約および製品に関するご不明点等ございましたら、こちらの記事へのコメントもしくはお問合せフォーム、A&Mグループ公式Facebookアカウント宛へのダイレクトメッセージにて、ご連絡を頂ければと思います。

(A&Mグループ公式Facebookアカウント : https://www.facebook.com/for.artist


どうぞ宜しくお願い致します。


SPL JAPAN

プロダクトマネージャー

加瀬

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皆様こんにちは。国際エンドーサーであり、SPL JAPANの責任者である古屋です。

夏あたりから経済の回復と共に、SPL製品が一気に活況づいております。当サイトや広告などでも、SPL製品は世界のどの地域よりも日本の地で人気であることをお伝えしておりますが、更に日本の皆様からの厚いご支持を頂くことで、本国からの供給において最も優先順位の高い国として扱われております。結果として、製品の安定供給といった最も素晴らしい環境を築くことが出来、これも偏にご支持を頂戴いたします皆様のお陰と認識しております。

この好循環を構築できたことは、SPLと日本市場双方の賜物と言えます故、この場をお借りいたしまして、深く御礼申し上げます。





さて、本日は120vテクノロジーについて、スペック的な内容というよりは、実際的な『体感としてのスペック』に的を絞ってお話しできればと思います。元々自分自身がアーティスト上がりであり、現在も音楽制作に携わるプロデューサー兼エンジニアという観点から、ユーザー目線でのお話になるとご認識頂ければと存じます。


写真は新しい機材をテスト中の物でして、こちら近日国内配給されるMarian Audio - AD8 MKⅡというAD/DAコンバーターです。これまでMarianについては、国内代理店が無かったこともあり日本では無名ですが、スペックからして素晴らしい製品であることを僕が見つけ出し、本国から直接購入しスタジオで運用したのが始まりでした。そして数台購入の後、マスタリングにおいては、この機材無くしては語ることの出来ないほどの逸品であると感じるようになり、職業上世界で売られているコンバーターの類は殆ど聴いた身としては、『入力段階では兎に角一切の妥協を許さない純音であった欲しい』という願望を見事に叶えてくれた逸品でもあります。

そういったMarianのような性質を持つ機材というものは、その後のシグナルチェインにおいての各機材特性を顕著に映し出すことから、非常に有効なテストを行うことが出来ます。



このテストのシグナルフローとしては、Marian Audio AD8 MKⅡはSonet社のランチボックスに収納され、ThunderboltでPCへ接続されています。AD8 MKⅡにてDAされたシグナルが SPL Director MK2(DAコンバーターですが、この折はプリアンプとして使用)に送られ、Director MK2から SPL s800からSKY Audioスピーカーで出力されるという内容です。この折のテストは、Marianをメインとした動作とサウンドチェックでしたが、このフローからはSPL120vテクノロジーの素晴らしさを顕著に感じることが出来ました。


SPLの場合、色付けというものは一切排するといった考え方が背景にあることを先ずはご承知おき頂ければと思います。ボリュームを上げた際のドライブ感や、s800を用いた折の余裕の空間美というものは何にも変えられないものがありますが、それは安物の色付けではなく、あくまで広大な敷地を有するSPLのヘッドルームが織り成す芸術作品であるという表現が最も良いかと思います。この広大な空間美というものは、何かしらを小手先でどうにかできる代物ではなく、厳選された設計やパーツ選定以上に、そもそもの背景として音楽表現における理解度の深さが圧倒的であると感じさせます。音楽において古くは3大Bを生み出したドイツとしては、当然のことなのかもしれませんが、日本人で言うところの『NHKのみんなのうた』の感覚でバッハ、ベートーヴェン、ブラームスなどを日々聴き、理解していると感じさせられます。印象深いのは、ピアスやネックレスをジャラジャラに付けた20代前半の女性が、オペラを聴きに来ていたことでした。それくらいに音楽が身近であり、また高い文化背景を持ち合わせているが故のサウンドと認識頂いて良いかと思います。


更にこれは中々日本の音楽市場そのものにはない考え方なのですが、プロデューサーやエンジニアたち、またオーディオに携わるITエンジニアたちは、いわゆるオぺレーターのような限定的な専門知識ではなく、その先にある音楽表現・芸術を深く理解した上でのエンジニアリングであると感じることが多々あります。これは勿論自分自身にも求められてきたことですが、例えばマスタリングで『機材を扱って音色を仕上げる』という考え方では世界には通用しません。

世界で求められるマスタリングというものは『楽曲を理解し、アーティストとその楽曲内でセッションすること』を求められます。マスタリングという作業ではなくオーディオエンジニアリングは演奏であるという認識が最も重要で、それが世界のトップになればなるほど色合いが濃くなる印象です。




SPL本社から程近い、湖畔のステーキハウスにてマーケティングマネージャーのサーシャと



SPL本社の友人たちと一緒に食事を共にする折、彼らと話しているとスペックの話というものはほとんど出ません。むしろ、『どういう楽曲が好きで、どういう聴き方をし、音色を如何に表現するのか?』といった会話に集約されることが殆どです。

SPL本社近くの美しい湖の畔は、正に中世の貴族を思わせるような出で立ちで、生活そのものが芸術に富んでいると言っても過言ではありません。そして、その芸術から導き出されたものが先の120vテクノロジーであり、120vによってダイナミックレンジを確保する、若しくは強大なヘッドルームを創り上げるための構造計算上の数値やスペックではなく、彼らの数百年に及ぶ深い長い歴史から来る芸術感故に生み出されたのが120vテクノロジーであると思います。


クラシック音楽は、どのジャンルの楽曲よりもダイナミックレンジが幅広く、ある意味制作をする側としては最も気を遣うジャンルです。そして近代において、R&BやEDMにそのダイナミックレンジやサウンドの存在感が引き継がれることで、表現の自由度が増しました。しかし、基礎中の基礎であるクラシック音楽の血統は、SPL社にとってネイティブな形で浸透しているが故に、120vのサウンドが生み出されたのであろうと思わせます。


多くのSPL製品は、きっとこれまでと全く異なる広大な景色を各楽曲に与えてくれることと思います。それは自分自身が体感してきた120vテクノロジーとの出会いであり、また感動であると思います。是非、皆様のオーディオライフの中に、こうした背景のテクノロジーを付け足されてみてください。きっとまるで違う楽曲の魅力や哲学に出会えるはずです。

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